2025年6月、労働施策総合推進法等改正! 対応できていますか? 変化をチャンスにして「人が辞めない会社」へ 弁護士 田村 優介
2025年6月4日、働き方に関する法律をいくつかまとめた改正法が成立
少子高齢化によって働き手がどんどん少なくなっている今、企業がこれからも成長を続けていくためには、「人材」という大切な経営資源、つまり社員一人ひとりが安心して自分の能力を最大限に発揮できるような職場環境を整えることが、本当に不可欠になっています。
そんな背景から、2025年6月4日に、働き方に関する法律をいくつかまとめた改正法が成立しました。この法改正は、ハラスメント対策を今まで以上に強化したり、病気の治療と仕事の両立をサポートしたりすることを通じて、従業員がもっと安心して働ける環境を作ることを目指しています。
人手不足が深刻化する中で、この法改正を「守らなければならないルールが増えた」と捉えるだけはなく、「優秀な人材を確保して、会社の競争力を高めるチャンスだ!」と、経営戦略の転換点として考えることが重要です。

具体的に何が変わる?改正のポイント
今回の改正では、主に「労働施策総合推進法」「男女雇用機会均等法」「女性活躍推進法」という3つの法律に関わる部分が変更され、企業には新しい対応が求められます。具体的に見ていきましょう。
1 職場のハラスメント対策が強化されます
(労働施策総合推進法 2025年6月11日から1年6か月を超えない範囲内で政令で定める日より施行)
まず、パワーハラスメント(パワハラ)防止措置が、これまで努力義務だった中小企業も含め、すべての企業で義務化されます。相談窓口の設置や、プライバシー保護、相談したことによる不利益な取り扱いの禁止などを、きちんとルールとして定めなければいけなくなりますね。
さらに、セクシャルハラスメント(セクハラ)対策も強化されます。これまでは主に「従業員」が対象でしたが、これからはフリーランスなどの個人事業主や、就職活動中の学生、インターンシップ生なども、保護の対象として含まれることが明確になりました。顧客や取引先からのハラスメント(カスタマーハラスメント・「カスハラ」)についても、企業が従業員を守るための配慮をすることが望ましい、とされています。
ただルールを作るだけではなく、どうしてこれが必要なのか、会社全体で理解を深める研修などを行うことで、全員が気持ちよく働ける良好な職場環境を構築していくことができ、人材の定着につながると言えるでしょう。
2 病気の治療と仕事の両立支援
(改正労働施策総合推進法27条の3第1項)
従業員ががんなどの病気にかかったり、怪我をした際、治療をしながらでも働き続けられるように、企業が支援することも求められるようになります。具体的には、従業員の申し出に応じて、治療と両立できるような働き方の制度(例えば、テレワークや時短勤務、フレックスタイム制など)を整えたり、相談体制を整備したりする努力義務が課されます。
安心して治療に専念できる環境があれば、従業員も「この会社で長く頑張ろう」と考えることに繋がります。会社にとっても、経験豊富な人材を失わずに済む、大変大きなメリットがあると言えます。
3 ジェンダー平等をさらに後押し
(改正女性活躍推進法20条)
常時雇用する労働者が101人以上の企業に対して、「男女の賃金の差異(いわゆるジェンダー・ペイ・ギャップ)」の情報を公表することが義務付けられます。
単に情報を公開するだけでなく、その差がなぜ生じているのかを分析し、改善していくための行動計画を立てることも今後重要になります。こういった透明性を高める取り組みが、本当の意味での働きやすさや、公平な評価につながっていくと考えられています。
変化をチャンスにしよう
今回の法改正は、企業にとって対応すべきことが増える、という側面は確かにあるかもしれません。でも、これは「人が辞めない、選ばれる会社」になるための絶好のチャンスとも言えます。
対応にあたって迷うこと、お悩みなどがあれば、お気軽に城北法律事務所までご相談ください。
参照:厚生労働省 「令和7年の労働施策総合推進法等の一部改正について」
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