城北法律事務所 ニュース No.76(2017.8.1)

新しい所員を紹介します

日々研鑽を積み誠実に

弁護士 大久保秀俊(おおくばひでとし)

はじめまして。2017年1月6日に城北法律事務所に入所しました、弁護士の大久保秀俊と申します。私の父が生まれ育った池袋の地で弁護士をすることに対し、縁を感じています。

入所以来、早くも半年が経ちましたが、様々な事件を担当させていただくとともに、所内の個性あふれる諸先輩方や明るく一生懸命な事務局の方々に支えられ、とても充実した日々を送っております。

私は、個別の事件のみならず、HPVワクチン薬害訴訟弁護団、薬害肝炎弁護団といった薬害事件の弁護団のほか、福島原発被害首都圏弁護団や特定整備路線補助26号線弁護団など、様々な集団訴訟に参加しています。

HPVワクチン薬害訴訟については、今回の事務所ニュースにおいて結城弁護士が書いておりますように、未来ある若い女性が深刻な副反応被害に苦しんでいます。治療法の見つからない副反応に悩まされる被害者たちに対し、彼女らの未来を取り戻すための闘いをこれからも続けていきます。

薬害肝炎については、既に、2008年に救済法が成立しています。しかし、終わった問題とは言えません。救済された被害者はごくわずかです。また、薬害根絶のために必要な第三者監視組織の設立の目途も立っていません。

福島原発被害首都圏弁護団については、今年中に結審を迎えます。原発被害に対して誠実に向き合うとともに、自己責任として被害者を切り捨てる政策を許すことなく、これからも闘い続けていきたいと思っています。

補助26号線弁護団については、実質的に70年近く前の都市計画に基づいて、板橋区の顔でもある「ハッピーロード大山商店街」を分断しようとしています。街づくりに対するイニシアティブを住民の手に取り戻す闘いを続けていきたいと思います。

これから先、どのような事件に関与していくのかは、私にもわかりません。ですが、たまたま縁のあった事件や、興味をもった問題について、縁のあったこと、興味を持ったことに対して責任を果たし、誠実に取り組んでいきたいと思っています。

私は、人権擁護に携わる弁護士として日々研鑽を怠ることなく、依頼者の方々、地域のみな様に対し、誠実に向き合っていきたいと考えています。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。


「すべての分野が専門分野」をめざして

弁護士 久保木太一(くぼきたいち)

はじめまして。今年の1月に城北法律事務所に入所いたしました久保木太一です。歴史と実績のあるこの事務所で、弁護士としてみな様のお役に立てる仕事に携われることを誇りに思うと同時に、大変身が引き締まる思いです。

私が卒業した東京大学ロースクールでは、卒業生のほとんどが企業法務を専門とする大手事務所に就職します。しかし私は、大企業の味方をして社会の格差を拡大するのではなく、ときには大企業と対峙し、社会の格差を縮めるための活動をしたいと考え、当事務所に入所することを決めました。入所してまだ半年くらいですが、やりがいに満ちた充実した日々を送っています。

入所後、最初の大仕事は共謀罪に反対する活動でした。私は、「共謀罪法案に反対する法律家団体連絡会」の事務局として、国会答弁の議事録を整理・研究作業等を担当し、国会議員や学者の方々とも連携しながら、戦後最悪の治安立法である共謀罪の廃案に向けた活動に尽力しました。国会前や院内集会でのスピーチも行いました。強行採決により法案が成立したという結果は残念なものでしたが、共謀罪の危険性や乱暴な国会運営に光を当て、警鐘を鳴らすことができたという点では一定の成果があったと思います。今後は共謀罪法の廃止、及び発動阻止に向けた活動に邁進すると同時に、今回得た経験と人脈を別の活動にも生かしていきたいと思います。

社会を変えるための活動も大切ですが、さらに大切なことは、法律の専門家として目の前にいる一人一人のお客様のお役に立つことです。

お客様のお悩みは人それぞれであり、一つとして同じ事件はありません。とりわけ新人の私にとっては、全ての事件が特別です。一つ一つの事件にものすごく悩みます。そうやって事件に没頭してしまうからこそ、帰宅時間は遅くなりがちですが、いざ事件が解決したときの喜びはひとしおであり、弁護士になれて良かったと心から感じます。

お客様から、「専門分野は何か」という質問をよく受けます。いずれは専門分野に特化した弁護士になりたいです。しかし、今のところは事務所最年少(今年で27歳)の若さを武器に、どのような事件にも全力で取り組むことによって「全ての分野が専門分野」と言えるようにしたいです。

若輩者ですが、今後ともよろしくお願いいたします。