刑事事件の報酬計算例

相談

夫が、タクシーに乗ろうと並んでいたところ、同じように並んでいたAさんと順番をめぐって口論となり、夫がBさん顔面を殴り、倒れたところを蹴りつけるなどして全治10日間のけがをさせたということで、逮捕されてしまいました。あわてて警察に行きました。警察では、夫は自分が殴ったり蹴ったりしたことは認めていると教えられました。

弁護士に弁護を頼みたいのですが、費用はいくらくらいかかるのでしょうか。

回答

逮捕された人(被疑者)には、自分を守るために弁護人を選任する権利があります(弁護人選任権)。

弁護人に対する費用(着手金)が支払える場合は、原則として自分で弁護人を選任することになります(私選弁護人の選任)。

ご相談のケースは傷害事件ですので、弁護士の費用が支払えないというときには、被疑者国選事件として、裁判所に対して国選弁護人の選任を求めることができます。
(なお、被疑者国選の対象とならない事件についても、逮捕・勾留による身体拘束が続く限り、法テラスの被疑者援助制度を利用して弁護士費用の立て替え払いをうけることができます)。

<私選弁護の場合の費用>
ご相談のケースでは事実関係に争いがない事件(事案簡明な刑事事件)ですので、事件に要する期間や弁護人としてどのような活動が必要かなどを勘案して、30万円以上50万円以下の範囲でご相談のうえ着手金をいただくことになります。
(なお、事実関係に争いがある事件など事案簡明といえない刑事事件についての基準は50万円以上です。事件に要する期間や必要な弁護人の活動に応じて、ご相談のうえ着手金の金額を決めさせていただくことになります)。
報酬は、成果に応じていただくことになりますが、例えば、
①起訴前弁護で不起訴処分を得たときには30万円から50万円
②公判弁護を通じて執行猶予あるいは刑の減刑を得たときは30万円から50万円
の範囲でご相談のうえ報酬をいただくことになります。
(なお、事案簡明といえない刑事事件で無罪を得た場合の基準は60万円以上です。こちらも弁護人の活動に応じて金額を決めさせていただくことになります。)
いずれも場合も、別途消費税が必要です。
なお、弁護活動を通じて必要となる実費(交通費、通信費、証拠の謄写費用、保釈保証金など)は着手金、報酬とは別途ご用意いただくことになります。

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