城北法律事務所 ニュース No.56(2007.8.1)

弁護士在職40年
若い弁護士に大きな刺激を受けて

弁護士 小林幹治

今年の4月7日私の入所40年のお祝いに、お忙しいなかを、在京の現・旧所員30余名ものご出席をいただき感謝しております。皆様のお話しをうかがいながら、夢中で過ごしてきたこの間を思い浮かべていました。池袋2丁目の呉服屋の2階で弁護士4名から始まった事務所も、現在は弁護士・事務局員合わせて31名になっています。
取り扱っている事件の内容も身近な問題はもとよりのこと、各種労働事件・公害・薬害から大気汚染等環境問題、残留孤児の救済等々、国民が被害を受けている問題なら何でも扱える事務所に発展してきました。 若い人たちが、次々に開拓していく新しい分野の取り組みは目覚ましいものがあります。若いみなさんの報告を聞くだけでも、大きな刺激を受けています。

こういう事務所の現状を見るにつけ、その発展を見ることなく、若くして亡くなった島田隆英、佐々木芳男両弁護士のことが悔やまれてなりません。これからという、働き盛りの年齢だったのですから、本当に残念だったろうと思います。事務所もたいへんな痛手でした。

私もこれまで続けてこられたのは、お二人の存在なくしては考えられません。年齢は私が一番上なので、もっと全体の気配りをしなければならなかったのだと思います。

これからも皆様のお力を借りながら、もう限られた時間でしょうが、少しでもお役にたてるよう努力したいと思います。


グアムへ行ってきました

弁護士 上野格

結婚10周年を記念して、グアムに家族旅行に行きました。

これまでは「南の島」なんて自分には分不相応だなあと考えていましたが、妻がテレビのリゾート特集を見る度に、「ああ、こんなところでゆっくりしたいわぁ」と言うもので、一念発起、奮発することにしました(但し費用は妻と割り勘)。

4時間くらい飛行機に乗っていたらグアムに着きました。グアムは「観光の島」で、観光客に優しく、大抵の場所で日本語が通じました。島民の6割が観光業に従事し、観光収入の9割が日本人観光客からだとか。何といっても海がきれいで、水につかっていると自分が洗われていくような気がしました。なるほど、海に向かってボンヤリしていると、日本での雑事が小さいことのように思えてきます。子ども達は大喜びでした。妻も満足したようです。

バスに乗っていて気づいたのですが、グアム島の3分の1はアメリカ軍用地です。そういえば、沖縄本島の在日米軍海兵隊の移駐予定地なのでした。また隣のサイパン島とともに、太平洋戦争の激戦地で、グアム島では約2万人の日本兵が玉砕したとされています。ホテル前の美しい海岸に出て腰掛けていたところが、よく見たら旧日本軍のトーチカでした。60年以上前、この美しい島までやってきて、このトーチカに籠もっていた日本人は何を思っていたのでしょう。

グアムは、16世紀にスペインが植民地にしてから、アメリカ、日本、アメリカと支配が移り変わり、今はアメリカの自治属領(準州)です。グアムは、美しく華やかな観光地と多くの観光客の裏に、軍事と植民地の歴史が見え隠れする島でした。