城北法律事務所 ニュース No.62(2010.8.1)


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相続・遺言成年後見

“備えあれば憂いなし”
将来に悔いを残さないために

1 自分が死んだあとのことが心配…

当事務所の法律相談には、相続問題でご相談にいらっしゃる方がそれなりにいらっしゃいます。ほとんどの場合は、既にどなたかが亡くなって、相続が発生したあとのご相談です。

①相続人(子供達)に紛争の種を残ておきたくない
残念なことに、相続人間が不仲で相続について話ができる関係にないケースのご相談が多いですが、被相続人(故人)の意向がはっきりとしないため、もめているケースも多く見られます。

たとえば、「お父さんは長男である自分に実家を相続して欲しいと考えていたはず」「お母さんは生前同居して面倒を看ていた私に遺産を全部渡すと言っていた」など、おそらく被相続人(故人)は相続について何らかの考えをもっていたと思われるのに、それがはっきりとした遺言書などで残っておらず、相続人間でもめてしまっているケースです。

ご自分が亡くなったあと、相続人達(多くの場合は、子と配偶者)に相続の問題で関係が悪化する事態を招くのは本意ではないでしょう。きちんとした形(遺言書)でご自分の考えを残しておけば、「お父さん(お母さん)がこう思っていたなら、それに従おう」と、ほとんどの場合それで相続の問題は解決することになります。どなたかに口頭でご自分の意向を伝えておくだけでは、不充分なのです。

②お世話になったあの人に、自分の資 産を多少なりとも残したい
また、ご家族との関係が希薄で、むしろご友人やご近所の方にお世話になることが多く、血縁関係にある相続人よりもむしろそういった方にご自分の財産を多少なりとも残したいという方も、稀ですがいらっしゃいます。このようなお考えをお持ちの場合も、きちんと遺言書を作成しておけば、そのような方にご自分の資産を残すことが可能となります。

少し難しい話になりますが、配偶者や子といった法定相続人(法律で定められた相続人)には、遺留分権(相続財産の一定割合を取得する権利)があります。たとえば「ご近所のAさんに自分の全財産を相続させる」という内容の遺言書を作成したとしても、遺留分権を持つ相続人が遺留分を主張したら、相続財産のうち一定割合は権利を主張してきた相続人に相続させなければいけません。しかし、逆に言えば遺留分権者が権利を主張しなければ、法定相続人以外の人に全財産を相続させることも可能です。

ご自分が亡くなられたあとの問題について、多少なりとも不安な点があるようでしたら、ぜひご相談ください。

2 親族が高齢で心配&自分将来誰に面倒を看てもらえるのか心配…

近時高齢者をターゲットにした訪問販売トラブルが増えており、特に高齢者が昼間お一人で生活なさっている場合などは、対策をとっておくことが必要でしょう。

成年後見は、精神上の障害(知的障害、精神障害、痴呆など)があって判断能力が充分でない方のために、家庭裁判所に申立てをして、その方を援助してくれる人を付けてもらう制度です。成年後見人が選任されれば、高齢者が詐欺被害に遭い、高額商品を購入するような契約を締結してしまったような場合でも、本人又は成年後見人があとから契約を取り消すことができます。

また、ご自分が今はしっかりしていても、将来認知症等で充分な判断能力がなくなってしまった場合に備えて、あらかじめ自分が信頼できる人と契約を交わしておき、将来自分に判断能力が失われたときに後見人になってもらうことができます。これを任意後見といいます。

いずれも、もし何かお困りの事情がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください