城北法律事務所 ニュース No.58(2008.8.1)


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目次

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ILOへ報告―郵政の組合事務室問題 
郵政労働者の新たな展望切り開く

弁護士 菊池紘

5月のジュネーヴ。ILO(国際労働機関)で郵政の組合事務室問題について報告した。

郵政は郵政産業労働組合(郵産労)に組合事務室を与えなかったので、不当労働行為救済を申し立てた。ところが労働委員会はその役割をなげ捨て、審理を進めようとしなかったので、郵産労はILOにこの問題を訴えた。これに応えILOは日本政府に「労働委員会の審査の手続きが遅すぎて不当である」「申立ての迅速かつ有効な処理を」と勧告した。

勧告を受け、ここ2年余りのうちに、労働委員会の救済命令が7本、これを支持する東京地裁の判決が2本、東京高裁の判決が2本重ねられ、この半年間で東京圏の9つの郵便局に組合事務室が与えられた。
ジュネーブに行きこうした経過について報告し、「有数の大企業・日本郵政を相手にその不当労働行為を是正させたことで、労働委員会が権威を高めた。この新しい事態が郵産労と労働者のたたかいにあらたな展望をきり開いた」と伝えた。

ILO労働者活動局長が答えた。「充分に役割をはたせて、ほんとうにうれしい。自分たちの仕事が勇気づけられる。皆さんの決意、忍耐が大きかった」と。この発言にある感慨をもった。


湘南送電工事 未払賃金請求事件 
1506時間分の未払残業代を勝ち取りました!

事務局 本多史和

私は以前働いていた会社で、1カ月の平均で約85時間のいわゆる「サービス残業」を強いられていました。この会社は労働時間管理をまったく行わず、残業代を一切支払っていなかったので、退職後裁判を起し、本来はもらえていたはずの残業代の支払いを求めて闘いました。
その結果、横浜地裁・東京高裁(08・5・28)ともに大勝利! 合計1506時間分の未払残業代を勝ち取ることができました。

*裁判の3つのポイント

  1. 手帳メモから残業代は請求できる! 残業時間認定の基になったのは私が書いていた手帳メモでした。メモからでも残業代は請求できるのです。
  2. 「残業しろとは言っていない」という言い訳は通用しない! 会社は、「残業命令をしていない」と主張しました。しかし、実際に定時間外に業務を行っていたことを会社が認識してた、という理由で会社の主張は採用されませんでした。
  3. 悪質な会社には罰金(付加金)も請求できる! 悪質な会社に対しては、罰金(付加金)の支払いを命じることが相当と判断され、そのまま命じられました。

*注意点
未払賃金の時効は2年間なので、2年以上前のものは請求できません。もし悩んでる方がいらっしゃいましたら、早めの相談をお勧めします。


「日本の青空」豊島上映会 
~800人を超える参加者で大成功!~

4月23日、日本国憲法の誕生を描いた「日本の青空」豊島上映会が、豊島のさまざまな団体・個人の方々を中心とし、800人を超える参加者により大成功を納めました。当事務所からは実行委員長として加藤弁護士と、事務局3人も実行委員として参加しました。

「憲法はGHQによる押しつけではなかった」「憲法は日本の宝、9条は世界の宝」など多数のアンケートもいただきました。
(事務局 黒田真一)