城北法律事務所 ニュースNo.89 2024新年号(2024.1.1)


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所員からのひとこと
明けましておめでとうございます 2024年

大八木 葉子

宮本輝の自伝的大河小説「流転の海」を読んでおります。現在、最後の「野の春」まで進み、もう少しで全9巻が読み終わります。主に電車で少しずつ読み進めてきましたので、まるで登場人物と一緒に過ごしてきたような感じ(ただし、これが現実では大変だと思います)もしています。
作者は、37年かけてこの「流転の海」全9巻を執筆し、あとがきで「ひとりひとりの無名の人間のなかの壮大な生老病死の劇」を書きたかったと記載しています。私自身、時代背景等異なるものの、読みながら人が生きることやしあわせ等について考える機会が何度もありました。少し時間が経ちましたら、もう一度読み直したいと思っています。

菊池  紘

栗駒山(1626m)の登頂を果たせなかった話。
栗駒山は神の絨毯と呼ばれる紅葉でつとに有名だ。深田久弥は秋田駒ケ岳と栗駒山は百名山に入れたかったとしているし、田中澄江もこの山を「花の百名山」にあげている。
この10月に二回山頂を目指した。最初に宮城側のいわかがみ平から中央コースを、10日後に岩手側の須川高原温泉から自然観察路を登った。紅葉と黄葉は映え、久しぶりの登山で気持ちよかったが、いずれも八合目までも行かずに登頂を断念した。息が上がったわけでもなく、端的に言えば闘志をなくしたにすぎない。自らを笑うしかない。かつて穂高や剣を縦走したその迫力のかけらもなくなっていることを知らされた。ああ・・・。

木下 浩一

マーク・トウェイン著『ハックルベリー・フィンの冒険』(光文社。土屋京子訳)。奴隷制が存在した1830年頃のアメリカ南部を舞台に、主人公の少年ハックが、逃亡奴隷ジムと共に奴隷制を廃止した自由州を目指す物語です。私は、ハックが「悪法」と「良心」の狭間で思い悩む物語と思っていましたが、ハックも含めて、当時の南部の白人に奴隷制が「悪法」との認識はなく、法とその「良心」は一致しています。それ故、ハックが葛藤を経た終盤、ジムを助けると決断した感動的なシーンでは、むしろ自分が「地獄に落ちる」ことを覚悟します。「悪法」に違憲判決とのニュースを聞いた際、「捻じ曲げられた良心」の敗北と「健全な心」の勝利を謳うこの場面を思い出しました。

工藤 裕之

日本政府は、外国にはすぐ援助を決めるのに、なぜいつまで経っても国民に対する支援をしないのか。日本国憲法は義務教育は無償とするが、なぜその範囲を授業料に限定するのか。少なくとも小中の給食費を無料にすれば、どれだけの家庭に支援が広がるのか明らかである。また、大学の自治に対する権力の介入は強化するが、教育関係予算がなぜOECD加盟国の中でずっとほぼ最下位なのか理解に苦しむ。国立大学を含めて、大学の運営費に対する予算を減らすばかりなのか。などなど怒りは増すばかりである。
 

武田 志穂

今年の夏、アメリカに住む弟家族が訪日したので、久しぶりに東京ディズニーランドに遊びに行ってきました。昔は若い人ばかりだったような記憶なのですが、猛暑日にも関わらず車椅子のご老人などもお見かけし、老若男女問わず楽しめるテーマパークだと改めて実感しました。ただ、一つ驚いたのが、現在ディズニーランドのチケットはスマホのアプリ管理がメインであるにもかかわらず、Wi-Fiが基本的に使えなかったこと。弟たちのスマホが使用できなかったので、アプリでの予約等全て私の方で行っていました。元々インバウンド対策として、日本は無料Wi-Fiの整備が遅れていると言われています。多くの方が日本で快適にお過ごしいただけるように、早急に環境を整えていただきたいと思います。

田場 暁生

昨年、将棋界では、藤井聡太さんが次々とタイトルを奪取し、ついには最年少(21歳)で将棋界のタイトル8つを独占しました。私は子どものとき、将棋の月刊誌を読んだりするなど、運動のほかは将棋が得意でした。そのころ、同世代の羽生善治さんという天才小学生が現われました。
昨年、その羽生さんが藤井さんに「王将」のタイトル挑戦権を得ました。世間では、「8冠」に向けて邁進中の藤井さんを応援する雰囲気が強かったのですが、羽生世代の中年のおじさんは、「簡単に負けるな。羽生がんばれ!」と羽生さんを応援していた人がけっこういて、私もその一人でした。結果的に藤井さんが勝ちましたが、自分もおじさんになったのだと改めて認識しました。

田村 優介

労働事件ではまれに「自分の勤め先の正確な法人名がわからない」という方がいらっしゃいます。契約書も何もなく、勤めているお店の名前しか知らない、などのパターンです。従業員からの責任追及などを逃れるため故意にやっているとしか思えない悪質な企業もあります。このような場合でも、たとえば店舗不動産の管理会社に賃借人の名義を照会する(弁護士は「弁護士会照会」という手段が使えます。)、電話番号の契約名義人を照会する、などの方法により相手を突き止めていく、といった調査を行うことができます。労働事件に限らず、責任追及したいが相手の情報がない、という時も取りうる手段はあるかもしれませんので、まずは相談してほしいと思います。

野口 景子

「トランスジェンダー入門」(集英社新書、2023年)を少しずつ読み進めてきました。トランスジェンダーとは「出生時に割り当てられた性別とジェンダーアイデンティティが異なる人」を意味します。
「最初に知ってほしいこと。」「トランスジェンダーの全体像がわかる本邦初の入門書」という帯のとおり、今まで曖昧な理解しかできていなかった言葉の定義、家庭、学校や職場で当事者が抱える困難、段階的に進む性別移行の実態など、わかりやすく解説されていて、まさに「入門書」です。
「『自称女』がいきなり女性トイレに入ってくる」などという言説が、トランスジェンダーの実態を無視した乱暴な言説であることがよく理解できる、お勧めの一冊です。

平松 真二郎

福島第一原発事故から12年半が経ちました。事故による広範かつ深刻な放射能汚染によりいまでも帰還困難区域が残されています。避難指示が解除されても、帰還できないまま避難を続ける被害者が残されています。帰還することは、放射線追加被ばくを甘受しながらの暮らしを選択することでもあります。山林は除染がなされないままです。山菜やキノコ、川魚はいまなお基準線量を超える状態です。福島第一原発事故は未曽有の環境破壊、公害です。二度と原発事故被害を繰り返させない。その声を国民世論に広げるためノーモア原発公害市民連絡会を立ち上げました。連絡会の取り組みにぜひ共同協力いただければ幸いです。

松田 耕平

仕事の関係で毎日色々なところへ出かけますが、行く先々で時間の許す限りトライしているのが美味しいお店の開拓です。といっても、お洒落だったり有名なお店だったりとかではなく、メインは地域に根ざした昔ながらの喫茶店。ここでトーストやナポリタンなどを食べながら、つかの間、まったり過ごすのを楽しみにしています。食事もお店ごとにこだわりポイントがあったりして、例えば「トースト」にしても、厚さや焼き加減、塗るのはバターかマーガリンか、焼いてから塗るのか塗ってから焼くのか、塗る量は多いか少ないかなど色々な違いがあり、こうした違いを味わうのも楽しみのひとつです。皆さんもお気に入りの喫茶店がありましたら是非教えて下さい。

結城  祐

娘が2~3歳ころから音楽に合わせてよく踊ったりしていたので、4歳になったばかりの昨年5月から習い事としてダンスを始めるようになりました。年上や経験者の子のクラスに入れていただいたので、妻と共に最初はひやひやしておりましたが、最近では集中力も増し、月1回スクールで開かれるミニ発表会でもメキメキと上達しているのが分かります。なにより娘が自分なりの表現や表情を交えて、楽しそうに踊っているのが嬉しく、スクールでできたお友達とわちゃわちゃしているのを見ると微笑ましく感じます。4月には少し大きなホールでの発表会もあるようなので、今から観に行くのが楽しみです。

湯山 花苗

城北法律事務所で執務を開始して早10年。先日は、東京弁護士会のプログラムで、修習生を対象としたマンション問題の講師を務めました。私にも、スーツを着て、座学を受けていた頃があったなぁと思って、修習生たちを見ていました。
子どもは4月から小学生です。我が家の「ラン活」(ランドセル購入のための活動)は30分で終了。牛革のものを用意しようと工場併設のところまで連れていったにもかかわらず、子どもは人工皮革を選択。「こっちもかっこいいよ。」と誘いましたが全くブレず。「なんでこれがいいの?」と聞いたら、「この青がいい!YouTubeのCMで言ってた。軽いんだって。」と。私の希望はぐっと抑えて、市場調査をすすめていた子どもの意見を尊重しました。