城北法律事務所 ニュース No.84(2021.8.1)


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目次

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所員からのひとこと

暑中お見舞い申し上げます 2021夏

阿部 哲二

オリンピックとワクチン1964年の東京オリンピックの年、私は小学校3年でした。開会式での日本選手団と最終聖火ランナーの姿は印象に残っています。その後、市川崑監督の映画を見て、スローモーションで写し出される選手の姿と表情に感動した覚えがあります。トワ・エ・モアの札幌オリンピックの賛歌も好きでした。この夏の東京オリンピックに向けてワクチン接種が進められています。ワクチンによる病気予防は国民には全体としてベネフィット(利益)をもたらし、リスクはありません。ですが、接種する個人のレベルで考えると別です。ごく少数であってもリスクが顕在化し、接種したがため健康を奪われ苦しむ人がいます。そこを忘れないでほしいです。

大八木 葉子

新しい時代の家族像に対応した法制度へ相続人調査では戦前の古い戸籍を遡って取り寄せることがあります。古い戸籍には、「戸主」や「家督相続」の記載があったり、同じ戸籍に戸主の兄弟姉妹や孫などたくさんの家族が記載されていることもよくあります。このような家制度に関する規定は、日本国憲法の制定に伴い昭和22年の民法改正で削除されました。その後も、民法の親族・相続に関する規定は、何度も改正されてきました。家族のあり方は変化を続け、この変化に応じて改正がなされたものがありますが、法改正にまでは至っていない例えば夫婦別姓などの問題もあります。家族のあり方は、私たち一人ひとりの問題であり、様々な意見はありますが、きちんと議論して欲しいと思います。

大山 勇一

社会福祉法人の理事を務めています私は一昨年から、特別養護老人ホームなどを経営する社会福祉法人の理事を務めています。社会福祉法人は、高齢者、子ども、障害者、生活困窮者など、さまざまな生活課題を持つ利用者の生活を、24時間、365日支えることが主な役割ですが、近時、その地域に住む人々の生活を支える活動も期待されています。私は定期的に開かれる理事会において法的なアドバイスを行っています。昨年4月から法が改正され、経営組織へのガバナンス(監督)機能が強化されるとともに、透明な会計制度が導入され、放漫な経営は許されなくなりました。法律家が理事や監査に就任して、法人の経営が適正か否かのチェックを果たすことがこれまで以上に必要となっていきます。

小薗江 博之

政治家の寄付練馬区選出の国会議員の選挙区内での金品交付が問題になりました。選挙の有無に関わらず、政治家が選挙区内の人に寄附を行うことは、特定の場合を除いて一切禁止されています。有権者が寄付を求めることも違反です。冠婚葬祭における贈答なども寄附になります。もちろん政治家の後援団体(後援会など)が行う寄附も同様です。政治家本人が結婚披露宴、葬式等に自ら出席してその場で行う金銭交付も違反です。ケースによって罰則が適用されない場合があるだけです。6月に、コロナ患者を念頭にした郵便投票の適用範囲を広げる改正がありましたが、実務上の問題を指摘する意見は多いようです。

加藤 幸

早く安心して映画館に行ける日が待ち遠しい数カ月に一度、映画館で映画を見るのが楽しみの一つです。自宅のテレビで観ていると、ついつい別のことに気を取られますが、映画館だと映画にだけ集中でき、ストーリーの中にどっぷりつかれるので、観終わった後、気分がすっきりしてストレス発散になります。この春も、洋画・邦画とも観たい映画がたくさんあったのですが、コロナの影響でなかなか映画館に足を運べず、そうこうしているうちに公開が終了してしまった映画もたくさんあり、とても残念でした。早くコロナが収束し、感染のことを気にせずに映画館に行ける日が来て欲しいものです。

工藤 裕之

質問に答えない政治家このニュースが出るのは8月でしょうから、新型コロナの感染状況がどうなっているかとても心配です。ところで、この国の総理大臣などは、野党議員からの質問にまともに答えないことで有名になっています。国政の重大問題なのですから、こんなことでいいわけがありません。まったくひどい話です。裁判の証人尋問においては、証人が質問にまともに証言しなければ、裁判長からちゃんと証言するよう注意されます。それでもまともに証言しなければ、その証人の申請をした側が不利益な判決を受けることになるのです。質問にまともに答えないような政治家は不利益を受ける覚悟もあるのでしょうから、いよいよ選挙で落選という審判を下すしかないでしょう。

久保木 太一

弁護士以外の『先生』業弁護士は「先生」と呼ばれる仕事ですが、私はそれ以外にも「先生」と呼ばれる仕事をしています。司法試験予備校「伊藤塾」の講師です。主に、早稲田大学の学生を相手に、在学中の予備試験合格を目指して、(なんと)全科目教えています。座学と実務は違いますが、実務の中でも座学で得た知識が役に立つことは意外とあり、本業にも生かせていると感じます。ちなみに、私の趣味の一つが「推理小説を書くこと」なのですが、昨年、ネットに上げていた小説がプロの編集者の目に留まり、電子書籍化しました。趣味の延長ですが、もう一つ「先生」業が増えました。

野口 景子

コロナとジェンダーこの一年、コロナ禍を受けて街頭で開かれる「何でも相談会」や食料の無料配布(フードバンク)の相談員として参加することがたびたびありました。やはり、借金問題や派遣切りなど生活苦に直結する問題が多く、女性の相談者が目立つのも特徴です。休業や時短要請によりシフトを減らされたり、契約更新を拒まれたりして収入減の不利益をこうむりやすい立場にあるのは非正規雇用の労働者、働く女性のうち55%以上が非正規雇用であるという背景によるものです(働く男性のうち非正規雇用は約23%)。テレワークの増加により、配偶者からの暴力が深刻化したというご相談も…。ジェンダーギャップ指数156か国中120位の日本。諦めず社会を変えようと声を挙げる必要性を痛感しています。

「あすわか」作成・憲法ボードゲームのご紹介

弁護士 田村 優介

明日の自由を守る若手弁護士の会(略称:あすわか)は、ボードゲームを通して楽しく憲法を知ることができる「kenpo game~kenpoバリアで日本を守れ!」を作成・販売しています。ゲームの舞台は、「悪い魔法使い」によって、憲法が消し去られ、さまざまな不幸が襲ってくる、とある時代の日本。そこで市民が立ち上がり、協力して憲法を復活させ、幸せを取り戻していくというストーリー。ゲームを遊びながら、憲法の条文の役割を理解できるのが大きな特徴。大人から子どもまで楽しんでもらえるよう工夫しています。
ボードゲーム開発者の安藤哲也さんらと共同開発しており、純粋にボードゲームとしても本格的、楽しく、憲法を知ることができます。当事務所からは私田村と片木弁護士が「あすわか」メンバーとして作成段階のテストに参加、アイデアを出して開発に関わっています!憲法がなくなると、私たちの生活はどのように脅かされるのか。ゲームを通して、楽しく憲法の意義を体感し、各条文について理解を深めることができます。「対戦型ではなく、プレイヤー協力型のゲーム」であることも特徴です。参加者が競い合うのではなく、みんなで相談し協力しながら、ゲームを楽しむことができます。
購入は、「あすわか」公式サイトから。価格は税込4,180円。

退所のご挨拶

茨木 智子

一身上の都合により弁護士登録を取り消すこととなり、それに伴い本年3月末に事務所を退所いたしました。これまで多くの方々に支えていただきました。心から感謝を申し上げます。世界的に感染症が流行しておりますが、皆様がすこやかであるように願っております。引き続き城北法律事務所をよろしくお願いいたします。