城北法律事務所 ニュース No.81(2020.1.1)

所員からのひとこと 明けましておめでとうございます 2020年 初春

菊池 紘

満州事変以降の戦争への暴走を批判的に検討し「無責任の体系」としたのは哲学者・丸山眞男です。そして8年前の福島第一原発の事故でも、無責任の体系は同じ誤りをくり返しました。専門家による巨大な津波の警告を無視し続けたことが、非常用電源の水没によるメルトダウンと水素爆発をもたらしたのです。

その反省もなく、無謀にもあいかわらず原発を優先し、再生可能エネルギーを抑え込んでいるのも同じ流れです。今これに抗して1万人をこえる人々が各地で裁判をたたかい、流れを変えようとしています。仙台高裁と東京高裁で来春以降にあいついで出される判決が待たれます。

小薗江 博之

城北法律事務所の存在感を実感しています。私が事務所に入所したのは1982年ですが、それより前から事務所とかかわりのある相談者の方の関連事件、ご紹介の事件にも数多くたずさわっています。先日も以前からの方が紹介者の方と一緒に事務所においでになりました。突然、知らない弁護士から通知書が来て、すぐに相談できる事務所があってよかったと言っていただきました。25年、27年、29年ぶりに電話をいただいた方もおられました。これからも信頼に応えられるよう続けていきたいと思います。

工藤 裕之

「任命責任ってなんですか?」。最近も大臣2人が違法行為などの不祥事により辞任しました。こういうことがあると、安倍首相はいつも「任命責任は私にある。申し訳ありません。国政を一刻も停滞させないように努める。」などと口先で言うだけで、一度も責任らしきものを取ったことはありませんから、実態は任命無責任です。責任というからには、少なくとも何らかの不利益を自分自身に課す必要があるでしょう。第2次安倍内閣ではこうした不祥事により辞任した閣僚が10人もいるようなので、任命責任があると言うなら、もはや内閣総辞職しか途がないと思います。

大八木 葉子

7月10日、「法務局における遺言書の保管等に関する法律」が施行されます。

この法律では、自筆証書遺言にかかる遺言書について、法務局の遺言書保管官が法務局内で原本を保管し、その画像情報等の情報を管理する制度が定められています。遺言書を作成しても、紛失したり、保管場所がわからなくなってしまっては意味がありません。この新しい制度では、遺言書の紛失や隠匿等が防止され、遺言書の存在の把握が容易になります。遺言者の生存中は、遺言者以外遺言書の閲覧等ができず、この意味でも安心だと思います。相続後の検認の手続きもいりません。

大山 勇一

刑事事件で逮捕された一人暮らしの被疑者から、室内で飼っているペットの世話を依頼されることが最近あった。以前にも同じような依頼があった。どちらのケースも猫である。前回は新幹線移動が必要となるため別料金をいただいた。依頼者の自宅へ赴き、3日ぶりに私がキャットフードを与えると、その猫は最初は警戒するものの、静かに近づいて食べた。トイレの猫砂も換えた。身柄拘束が長期に及んだので、数日おきに何度も通った。そのうちその猫は私を警戒しなくなった。刑事事件は不起訴処分で終了しホッとしたが、猫との別れはそれなりにさみしかった。私は猫を飼ったことはない。

松田 耕平

ドラマ「きのう何食べた?」はご存じでしょうか。これ、とても面白かったです。このドラマに触発されて最近は料理をよく作るようになりました。特にジャンルにこだわるわけでもなく、興味を持ったら次々とチャレンジ。今はインターネットでレシピやら動画やらが沢山あって教科書には困りません。しかし、教科書通り作ったはずなのにうまくいかないことも多々。教科書でも埋められない隙間は経験やセンスなどで埋めるしかないのでしょうか。なにやら弁護士活動にも通じるところがあると思う今日この頃。料理も弁護活動も、教科書には載っていない“コツ”を求めて精進する毎日です。

武田 志穂

裁判のIT化

今、裁判のIT化が進められています。今までは裁判をする場合、裁判所に提出する書類は持参または郵送という手段で提出し、裁判期日は原則として裁判所まで出向いて出廷する必要がありました。しかし、来年2月から徐々に仕組みが変わっていきます。書類はネットを通じて提出することができるようになり、また裁判期日も裁判所に出向かずPCツールを利用して事務所で出廷することができるようになります。変革についていくことは大変ですが、頑張って学んでついていこうと思います。

平松 真二郎

11月14日未明から翌15日かけて大嘗祭が行われました。毎年行う新嘗祭の費用は内廷費(お手元金)で賄われますが、即位に際して行われる大嘗祭には25億円が宮廷費(公金)から支出されています。これは、政教分離(憲法20条)及び宗教行事への公費支出禁止(憲法89条)に違反しています。また、大嘗祭には、三権の長が参列しています。特に、安倍内閣は、定例の閣議を中止してまで参列していますが、これは国家機関による宗教活動を禁じた憲法20条に違反しています。奉祝ムードが作られ憲法が軽んじられていることに危機感を覚えます。

茨木 智子

夏号で天気のことを書きました。

2019年7月、8月分の長期予報に関して、「平年並み」と予想されていた気温が「7月低温・8月高温」と極端であったこと以外はおおむね当たっていたようです。予報通り、「曇りや雨の日が多く天候不順」で、梅雨が長く、局地的な豪雨や台風の被害がありました。

近年、情報化が進んだおかげで、気象庁の予報だけでなく、さまざまな主体の気象予測モデルを比較して見ることができるようになりました。台風の進路や短時間雨量など、予測の精度はこれからさらに上がっていくでしょう。期待すると同時に、被害の回復と安心して暮らすことができる社会を願っております。

田村 優介

昨年2018年から、法律家団体「青年法律家協会」(略称:青法協)の事務局長を拝命し、お仕事をさせていただいています。1854年設立の歴史の長い団体で、任意の法律家団体の中では最大規模、と言われています。事務局長を務める中で、全国の様々な会員弁護士、法律学者のみなさん、また、他士業(司法書士、税理士さんなど)の先生方との接点が多数でき、日々勉強をさせていただいています。業務にも活かしていきたいと思っています。3年間、担当する予定です。

舩尾 遼

2019年は取り組んでいる大きな裁判がいくつか結審しました。2020年は判決の年です。果たしてどのような結果になるのか。この国の民主主義が司法の世界にどれだけ影響を与えるのかが問われています。また、安倍首相は2020年度も変わらず改憲を目指しています。

賃金は減るばかりで生活していくだけで精一杯という依頼者に多くお会いします。私たち弁護士がみなさんのご要望に応えてたたかうことができるのもこの国に民主主義と平和があってこそです。国民生活と依頼者のみなさんの利益のためにも、政治を動かすことが何よりも大事だと思っています。

結城 祐

4月に生まれた娘はおかげさまですくすくと育っております。表情に自我が見られるようにもなり、離乳食等の好き嫌いも分かるようになってきました。娘は妻のことがとても好きなようで、妻の動きに合わせて頭を動かし妻を追う様子が何とも微笑ましいです。私が顔を近づけただけで大爆笑することがありますが、そんなに顔が面白いのかと少し複雑な気分です…。他の子と比較すると少し成長がゆっくりだと思う時もありますが、のんびり屋の私や妻に似たのだと、娘のペースに合わせて家族3人で成長できればと思っています。